イメージのスリ。スナップショットについて。

銀座晴天2

確か豊原康久氏の写真集だったと思うが、写真集の後ろについている文の中で、氏を「イメージのスリ」と形容していた。

 

氏の写真を上手く表現した良い表現だと思った。確かにスナップショットにはスリに通じるところがある。被写体に気づかれることなく、スリのようにイメージを切り取る。そんな風に写真が撮れたらどんなに楽しいだろう。何かの本で読んだが、木村伊兵衛氏はまさにそう言う辻斬りみたいな撮り方ができたらしい。

 

それはそれで、なんだか名人芸みたいになってしまっていて鼻につきそうなものだが、氏の写真はそういう名人芸臭さがそれほどしない。多分、木村伊兵衛さんはそういう撮り方もできたのだろうが、わざとそうじゃなく撮ったりもしてたのだろう。そういう抑制が写真には重要なのだ。全部名人芸の写真は見ていて飽きてしまう。

 

豊原氏の写真も、木村伊兵衛流スナップの流れをくんだものなのだが、被写体にカメラを意識させて撮っているものも多い。被写体がカメラに気がついて、しばらくしてまたカメラに無関心になった瞬間のようなタイミングで撮っているようにも思われる。カメラが写真をとらえるまでの、つかの間のドラマを演出させているような複雑なスナップショットもある。

 

スナップショットのタイミングは難しい。何が正解なのかは解らない。わからないからとにかく撮る。撮りまくる。特に私の使っているデジカメはシャッターのタイムラグが長い。ライカでは切れるタイミングのシャッターチャンスもデジカメでは逃してしまう。

 

けれども、それも良いんだ、それがカメラの面白さだし、そのタイムラグの間にカメラに気づいた被写体が織りなすドラマも面白い。それでいいんだ。

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コメント: 1
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    Milagros Stokely (水曜日, 01 2月 2017 02:15)


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