ノスタルジックなランドスケープ、George Ticeの風景

私のGeorge Tice

大西みつぐさんの写真をご覧になったことがあるだろうか。

とくに『Wonderland』と名付けられたシリーズの、モノクロの東京下町の風景を。

 

本日紹介するGeorge Ticeを無理矢理分類すると、大西みつぐさんをアメリカ人(ニュージャージー人)にして、人物を省いて、8×10インチにした系統の写真とでも言えるかもしれない。どちらのファンの方にもごめんなさい。

 

いや、本当はGeorge Ticeについてきちんと語れる自信がないのです。彼の写真集は一冊しかもっていないし、オリジナルのプリントを見たことはないし。それでも彼の写真集を見ていると

「ああ、いいなー。私もこんな写真撮りたいな」

 

と素直に思うのです。訪れたこともないニュージャージーの風景にノスタルジーを感じ、少しだけ切なくなるのです。

 

彼の写真を見るまで、写真の内包するノスタルジーは写っている「物」によるものだと思っていました。けれども、彼の撮影する街並、貯水タンク、曇り空は、それら一つ一つがノスタルジーを感じさせるわけではなくても、なぜか「失われた風景」を思わせるのです。いや、やっぱりノスタルジーを感じさせるのは「物」なのかもしれない。けれども、それらの物を並べただけの写真では、彼の作り出す世界観は出せないだろう。

 

それが何故なのか、はっきりとはわからない。人がいそうな所にも関わらず人が写っていない為なのか、自然光と人口光が作り出す諧調のせいなのか、はっきりとはわからないが、おそらくそれらがうみだすバランスと静けさの為だろう。

 

そう、George Ticeの写真の魅力はその静けさなのだ。写真はそこに写されているものによって、私たちを刺激したり、惑わせたりするけれども、George Ticeの写真は私を(おそらく私たちを)それほど刺激しない。放っておいてくれる、ただ静かに見せてくれている。

 

彼の主な被写体は、ニュージャージー州の郊外の街並や建物であり、それらが大型カメラによって諧調豊かなモノクロ写真に収められている。やや広角気味の画角ではあるが遠近感は強調されていない。

 

彼は風景だけでなく、人物のスナップを撮ったシリーズもあるのだけれど、スナップも静かでどこかノスタルジックである。田中長徳氏のニューヨークのモノクロ写真に通じるようなところもある。

 

彼の写真は、ウェブページでも見れるから、是非見てみてほしい、

 

http://www.afterimagegallery.com/tice.htm

 

そして、できたら感想を聞かせて欲しい。

私は未だ彼の写真を上手く表現できないから。

 

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コメント: 4
  • #1

    non (水曜日, 09 2月 2011 16:25)

    はじめまして。GeorgeTiceの検索からたどりつきました。NY在住の者です。Georgeの写真を1枚持っていますが、本物は本当に美しく繊細です!日本でも是非個展をやってほしい人です。大分高齢ですし。NYと日本で発売しているOWNMAGAZINEという雑誌のNO,10にGeorgeTiceの特集がでていますよ。日本では洋書になると思いますが、今回の特集はすばらしかったです。インタビューもありました!

  • #2

    yoshisaburo (木曜日, 10 2月 2011 00:17)

    コメントを頂きありがとうございます。
    George Ticeのプリントを持っているなんて、うらやましいです。日本でもどこか取り扱っているギャラリーとか所蔵している美術館とかがあれば、見に行きたいと常日頃思っておりますが、なかなか見つかりません。
    日本で個展をやって欲しいです。
    雑誌の情報ありがとうございます。
    早速手に入れて読んでみたいと思います。
    他にお勧めの写真家がいらっしゃったら、教えてください。
    どうもありがとうございました。

  • #3

    女性精力剤 (火曜日, 05 5月 2015 10:22)

    「大丈夫、痛くしないから???ね?」

  • #4

    早漏克服法 (火曜日, 05 5月 2015 15:18)

    「もっとそばに来い。誰も見てないから」