時間は待ってくれない。
時は澱みなく流れ、私たちは刻々と年をとる。
急いでいても、走っていても、歩いていても、カウチで寝そべっていても、恋していても、泣いていても、泳いでいても、新聞を読んでいても、時間はそのスピードを変えることなく流れいく。
そんな、時間の流れが無常であることと付き合うことが嫌ならば、アキュトロンはお勧めしない。
時間の流れを受け入れ、未来へと果てしなく続いて行く時間の流れに愛おしさを感じるとき、
私たちは、アキュトロンと幸せな時間を過ごせるだろう。
今日はこのブログを書き始めて、初めての時計の話題です。本来、このブログのメインテーマの一つは、時計と過ごす時間についてなのですが、時計に不案内なあたしは、今日までなかなか時計の話題に踏み切れないでおりました。
今日、丸の内の丸善に行って、時計屋をのぞき、そのショーウィンドーにこの時計を見つけたとき、
「ブログで扱う初めての時計はこれにしよう。」
と心に決めました。
その時計こそ、Bulova Accutron Spaceviewです。
ショーウィンドーの中のアキュトロンの秒針がゆっくりと、滑らかに、よどみなく流れている姿を目にしたとき、そこに、時間のあり方への一つの哲学を見ました。
このブログを読んでいただける方には、釈迦に説法になるかもしれませんが、このBulova Accutronこそ電気式時計のパイオニアであるBulovaが産み出した「世界初の音叉式電気時計」なのです(他に音叉式の時計なんて見たことないけど)。
ケースはシースルーになっており、そこに浮かび上がるエメラルドグリーンのムーブメントの美しさ。
スイープ運針と呼ばれるその秒針の動きは、クォーツのようにコチコチとか、ゼンマイのようなチコチコとかいうように時を刻むのではなく、まさに時とともに流れると形容するにふさわしく、私はその時計に釘付けになってしまった。
時計と時間の流れを共有する、時間の流れに立ち会う時計と私という文脈でこそ、この時計は活きてくるのである。
例えば、一日が終わり書斎でシングルモルトを傾けながらアキュトロンを愛でる
だとか、
デートの待ち合わせでバーカウンターでマティーニを引っ掛けながら時の流れ行くのを愛おしむ、
とか、
彼女のカシスソーダのグラスに写るアキュトロンを眺める、
とか、そういった楽しみができる時計だろう。キメ過ぎずはずし過ぎない、凡庸でなく目立ち過ぎない、そんな時計がAccutronだ。
お値段は約40万円と、結構良い値段だけれども、この時計とともに時間の流れを味わえると考えると、良い買い物かもしれない。
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and_tkt (木曜日, 20 1月 2011 19:40)
拝読しながらスチャダラパーのヒマの過ごし方という曲を思い出しました。
こんな曲です。
もしご興味あればお聞き下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=T8WjUWNmNns