ダンディズムを極めるなら、黙ってJack Teagardenを聴こう。

このブログで私はいつもストリートフォトグラフィーと、カントリー音楽のことばかり書いていますが、ストリートスナップ以外の写真も撮影しますし、カントリー以外の音楽も聴きます。

 

そんなことは皆さんにとってどうでも良いことなのかもしれませんが、わたし学生の頃はモダンジャズ研究会に入っておりましたし、結構ジャズが好きなのです。ジャズと言っても、50年代後半以降の所謂モダンジャズは、音数が多くて、コードも複雑なので最近はあんまり聞きません。専ら、オールドスタイルなジャズか、60年代以降のオルガンもののジャズばかり聴いております。どちらも、演歌のようにコブシが聞いていて、キャッチーなメロディーで好きなのです。

 

なので、今日はちょっと古いステキなジャズのレコードを紹介します。

Jack Teagarden(ジャック・ティーガーデン)っていうなんだか紅茶畑みたいな名前のトロンボーンプレーヤーがいます。あのルイ・アームストロングとも共演していたりするので、聴いたことがある方もいるかと思います。ずっとオールドスタイルなジャズを貫いていた方なので、あんまり爆発的に売れたミュージシャンではありませんが。独特のスタイルを持っているミュージシャンです。

 

私の同級生に大学を卒業した後ジャズバーのマスターをしばらくやっていた方がおりまして、卒業したばかりの頃は、よく仕事帰りに彼の店に立ち寄ったりしていました。彼はまあ、ジャズバーのマスターをやっていた程ですから、相当のジャズマニアでしたが、私が彼の店でカンバンの時間近くまで飲んでいたりすると、よく私好みの古いジャズのレコードをかけてくれました。Harry 'Sweets' Edisonがストリングスをバックに静かに甘いメロディーを奏でているアルバムとか、そういった類いのあんまりレコード屋に行っても置いていないような古いジャズを。

 

それで、今日ご紹介するTeagardenの『Mis'ry and the Blues』もそんな中の一枚でした。このレコードはCD化もされてますし、わりとすぐに手に入るのですが、時代が忘れてしまった旧き良き音楽が詰まった缶詰みたいな一枚です。Teagardenはトロンボーンの名手なのですが、歌を歌わせてもピカイチで、そのダンディーな声には、ジャズ好きでなくても惹かれることでしょう。その歌声で、甘く切ないブルースを唄い、けだるくレイドバックしたトロンボーンが奏でる音楽はベルベットのようにたおやかです。

 

彼の店のカウンターで、エズラとか、ジムビームとかのグラスを傾けながら聴いていると、自分がハンフリーボガードにでもなったかのような気分が味わえます。まさに男の中の男の為の音楽!!

 

週末の夜に、トレンチコートに身を包み、ハットを斜めに被り、独りバーボンを飲みながらTeagardenを聴いてみてください。近くにいる女の子にちょっかいかけたり、口説いたりしてはいけませんよ。それがダンディズムの極みというもんです。