黒い涙。またラテン音楽ですが、Bebo & Cigalaを聴きながら

昨日ロス・パンチョスについて書いて、今日もラテン音楽を取りあげると、なんだか私がラテン音楽好きかと思われてしまいますが。私はそんなにラテン音楽に詳しくないし、普段は殆ど聴きません。

 

ラテン音楽独特のクドさが苦手なのかもしれません。それでも、ロス・パンチョスくらい秀でた音楽家であれば、そんなクドさなんて全然問題にならないのですが。それでも、普段はロス・パンチョスとキンテート・レアルのタンゴぐらいしか聴きません。

 

私の真ん中の姉が、ラテン音楽が好きらしくて、今日は姉のコレクションからの一枚を聴き、その音楽について語りたいと思います。

さて、何から話し始めようか。

 

ストーカーっていう言葉ありますよね。あれ、僕もストーカーになる方々の気持ち痛い程解るし、私自身もいつストーカーになってもおかしくない、いや、もう既にストーカーと同じようなことやってるんじゃないか、って思います。

 

私は、執念深いし、諦めが悪いし、盲目的なところがあるし、自分が思っている以上に一途なところがあるし。だから、ストーカーの気持ち解るんです。気持ち解るからって、ストーカー行為を容認しているわけじゃないですよ。相手がいることだし、その相手に迷惑をかけることはやっちゃいけません。

 

まあ、そんなことだれでも解ることなんだけれど、頭で理解することと身体が行うことって違うのです。人間は頭で学んだことをことごとく裏切って行く生き物なのです。それで、私も、昔好きだった人とかにことごとく振られるたびに、いろんな迷惑かけました。

 

まず、男っていうのは去り際がかっこいい方が良いと思うのですが、私の場合、去り際はもうグズグズで非常にかっこわるいです。こちらに振り向きもせずに去って行く人の足にしがみついて、涙流して、「行かないでくれー!!」って泣きついたり、しつこく追いかけ回したり、そんな感じで最低のかっこわるさです。もう30を過ぎたので、これからはそういうのやめよう、振られる前にこっちから身を引いてやろうとか思っているのですが、幸いにしてそういう案件もなくて、今のとこ助かってます。

 

そういう、かっこ悪い男達にも、味方がいないといけません。かっこ悪い男達をかっこ良く飾るものたち。そういうものが必要です。

 

それで私、そう言うの色々探しました。探したけれど、ついぞ見つからなかったです。見つからない中で、せめてそれに近いものは何だろう、って考えました。考えて考えて、思いつかなくて、途方に暮れているときにふと気がつきました。

 

「写真って、未練だよな」、

 

写真は未練が乾燥していく中で残る結晶のようなものです。もちろん、世の中の写真すべてがそうとは言いません。けれども、写真という形の未練として残ったものって、もうそれ以上どうにもできない。べつに、個展やって展示しても良いのでしょうけれども、そういうごくプライベートなものってなかなか発表・展示しづらい。やっぱり相手があることですし。(けれども、写真って、そういう相手があることとか、ないこととか、考えても何にも良いことないんですよ。)だから、どうしようもないから、自分の心の栞として手元に取っておく、もう二度と見ることがないかもしれないけれども、どっか分かる場所に取っておく。それが、世の中で未練って呼ばれているものです。

 

だから、まあ、写真は私らみたいな未練がましくかっこ悪い男の味方ですね。

 

それで、まあ、心の中でそのアルバムをひらいてみるときとか、あるじゃないですか。そういうとき、BGMとして、上田正樹聴いても、前川清聴いても良いと思うのですが、僕はこの姉ちゃんから借りた一枚『Lagrimas Negras』をお勧めします。塩っからい歌声のおじさんが、黒い涙流しながら未練タラタラに歌います。歌詞の意味なんて全然解らないけれど、こういう音楽は世界共通の匂いがする。

 

それに、このCDを僕に貸してくれた姉ちゃんってのが、また未練がましい、女々しい男みたいな人なんですよ。きょうだいってそういうとこまで似てしまうものなんですかね?