あのとき仕事を辞めたことと、今の自分。

ブログ、いつも読んで頂いている方、ありがとうございます。

読んで頂いている方が退屈しないような話題を常に選べれば良いのですが、なかなかいつもはそういう話題見つかりません。ごめんなさい。

 

このブログを読んで頂いている方は、私の知り合いだったりするのかもしれないので、そういう方々は既に知っていることかもしれませんが、私は今まで二回転職しました。今の仕事は去年の7月から始めたのですが、その前は約半年、無職でした。無職の頃はお金がなかったりして色々大変だったのですが、それなりに時間に余裕があって自分自身について考えれる時間が沢山ありました。

 

その頃考えたこと、仕事を辞めることについて今日は話したいと思います。

『禅とオートバイ修理技術』を読んだことはありますか。私は、7割ぐらいを読んで、難しくて途中で挫折しかけているのですが、なかなか良い本です。小説としても、ロードムービー風ノンフィクションとしても、一種の哲学書としても、なかなか読ませる本です。

 

その本の中で主人公がかつての自分自身パイドロスを引き合いに出しながら思索を深めていくのですが、私がブログを書くのも、それと同じようなことなのかもしれません。かといって独善的になってしまったら読んで頂いている方が退屈してしまうので気をつけなきゃいけませんが。

 

それで、本題に入ります。

 

私は、大学を6年(親不孝!!)かかってやっと卒業して、その後新卒である船会社へ就職したのですが、3年半程そこで勤めて、退職しました。

 

退職した理由は、身体をこわしてしまったので、自分の生活を変えたかったということもあるのですが、むしろ、自分の人生を変えたかったからだと思います。転職をしたからと言って人生はそう大きく変わらないということは後で書きますが、とにかく人生を変えたかった。

 

メーカーの子会社で、親会社の顔色を見ながら、目立たぬように、飛び出さぬように、終身雇用で年功序列のエスカレーターに乗って人生の大半を過ごすこともイヤだった。それに、その会社のほぼ全員が同じような人生観を持っていることが気持ち悪かった。大半の人が、課長になる頃に会社で住宅ローンを組んで家を買い、そのローンを退職するまで払い続けているのもイヤだった。ゴルフをやらなければ一人前扱いされなくて、マイカーを持っていなければ人じゃない(自動車会社関連でしたので)っていう雰囲気も好きになれなかった。誰一人として将来独立して事業を始めようという人もいなかった。

 

まあ、イヤだった理由はそれだけじゃなくて沢山あるんだけれども、今思い返して、良かった面も沢山ある。世間一般の企業よりも給料は良かったし、福利厚生は充実していたし(会社保障で住宅ローンを組めたり)、休みが長くまとまっていたし。オフィスはきれいだったし、社員旅行もあった。良いことも沢山あった。そのことには転職をして初めて気がついた。

 

じゃあ、また戻れたら戻りたいかと聞かれたら、おそらくイヤだと答えるだろう。だって、あそこにいたら、会社に自分の人生を殆ど吸い取られてしまう。私は会社に人生を吸い取られる程弱い人間だ。それは自覚している。会社に人生まで決めてもらわなくていい。それに、あの頃はギター屋になりたかった。今でも、またギター屋になりたいとは時々思うけど。

 

それで、無職になってみて、仕事が無いことが不安になるまでゆっくり休んでいた。お金はすぐに底をつきそうになったが、妻がパートに行ったりしていてしばらくは無職で過ごせた。その時は、自分の人生が確実に前に転がっている実感が持てた。転がっていく先、方向はどちらかわからなかったけれど、上でも下でもなく、あてどない前へ転がっていた。「この先きっと何かになる」ということが見えていた。何になるかは全くわからなかったけど、自分の次に踏み出す一歩が自分を前に進めるだろうと感じた。エスカレータから降りて「ああ前に進むんだ」とやっと考えられるようになった。産まれて初めて、自分で前に進む道を考えさせられた。

 

それでわかったこと。自分はまだ社会人として大したことはできないということ。大したことをできるような訓練をしなくてはならないこと。社会の自分への評価、世間のほとんどの会社じゃ私みたいな人は「いらない」ということ。自分を売り込むことの難しさ。

 

それで、結局色々あった後、今の会社で働けるようになったのだけれど、転職してわかったことは。転職して変ることと変らないことがあるということ。

 

自分自身が変ったことについては変る。例えば、仕事に対する思い、危機感等は転職によって随分とシビアになった。所得が減って、生活の水準が変った(下がった)。けれども、実際の業務内容は殆ど変わっていない。今の自分には意思決定力、ネゴシエーション、プレゼンテーション能力をのばす努力が必要なことも変らない。

 

だから、転職で変ったことは、それほど多くないかもしれないけれど、生活苦、ストレスはかなりかかっていると思います。