酒とビリヤードの日々。予備校時代のことについてもう少し。

ずっと気がかりだったバイクの卒検に合格して張りつめていた気持ちが解けたせいかもしれない、今日は朝から力が入らないで、おまけに腹痛もして、午前中仕事を休んでしまった。そのせいで、今日は10時頃まで会社に居た。これじゃあ、悪循環だ。それに社長に色々いちゃもんをつけられ、とても疲れてしまった。だから、きょうはあんまり良い一日じゃなかった。はやく自分で商売を始めて、独立できるようになりたい。会社員は全然面白くない。

 

仕事ってそもそも面白くはないものなのかもしれないけれど、人生の大半の時間をすごすものだから、少しでも自分のやりたいことができた方が良い。だから、またなれたらギター屋になりたい。ギター屋が駄目でも時計屋かカメラ屋になりたい。今すぐには叶わない夢でも、少しずつ近づいていきたい。

 

それで、全然関係ないけれど、きょうも予備校時代の話をひとつ。

昨日予備校時代の話を書いたら、思いのほか多くの方々に呼んで頂けた。皆さんありがとうございます。このブログを読んでくださってくれている方の多くは、大学以前の私のことを殆どご存じない方でしょうし、私の妻にも殆ど話したことはないので、この場を借りてその頃の話を少しさせて頂きましょう。

 

予備校の頃と言っても、たったの一年間のことなんだけれども、私にとっては学生時代と同じくらい、いやひょっとすると学生時代以上に、私自身が変った一年でした。

 

まず、昨日も書いたけれど、中高男子校だった私にとって女の子と一緒の空間に一日中居ること、これはとても大きな変化でした。その中で、女の子との付き合い方を覚えたり、少しいかがわしいことを覚えたり、そんなこともありました。予備校の頃って、やっぱりみんな孤独だからだろうか、結構恋愛するひとって多いのです。私はあんまり恋愛とは縁がなかったけれど、それでも何人かの女の子と二人でお酒を飲みにいったりして、人生初の体験を色々しました。

 

そして、女の子がらみで友人との関係がまずくなったり、そのせいで落ち込んで人に会えなくなったりしました。約10ヶ月しかない予備校時代のうち約3ヶ月は殆ど予備校に行かなかった時期がありました。きっかけは、私の高校の同級生について女の子に質問されたので、「あいつあんまり良いやつじゃないよ」って冗談を言ったこと。まあ、黙って褒めておけば良いものを、その子があんまりにもメロメロになっていたので面白くなくてつい悪く言ってしまったのです。大人げのないことをしてしまった。そのせいで、その同級生にいびられて、落ち込んで3ヶ月予備校へ通えなかったのです。

 

沢山の戦友ができたこと。これも、予備校時代の財産です。今は殆ど連絡すら取れなくなったけれど、とっても素晴らしい友人に恵まれました。彼ら、彼女らと一緒に酒を飲んだり、悩みを話し合ったり、傷をなめあったり、勉強を教えあったり。そういう濃い時間を友人と共有しました。

 

その頃のことを書いたら、短編小説が何話かかけてしまうくらいだけれど、今日はビリヤードについて書こうか。

 

予備校時代は毎日のようにビリヤードをやった。予備校の隣っていうのは大抵コンビニとゲームセンターがあるんだけれど、私の通った予備校も例外ではなくとなりにゲームセンターがあった。その二階はビリヤード場になっていて、一時間300円か400円くらいで玉を撞けた。それで、予備校の友人、高校時代の友人と毎日のようにそこに行って、ビリヤードをやったり煙草を吸ったりして何時間も過ごした。

 

大抵いつもナインボールをやるんだけれど、私はエイトボールの方が好きだったから、高校の同級生の吉村とやる時だけはエイトボールをやった。私はあんまり上手い方じゃなかったけれども、毎日やっていたくらいだから、今よりもずっと上手かった。学生になってからは、国立にあんまりビリヤードをできるところがなかったせいで、殆どやらなかったけど。

 

何時間もビリヤードをやっていると、だんだん、その不毛さと、勉強していないこと経の焦りで不安な気持ちになる。昼過ぎ頃から始めてだいたい毎日夕方までそこに居た。不安な気持ちに負けて、予備校に戻ってとりあえず喫煙室に行って、一服するのだが、大抵はそこで話が盛り上がって、5時過ぎくらいになって、さあ呑みにいこうということになる。それで、だいたい毎日呑みにいっていた。

 

ビリヤード場に居るあの不毛な時間への焦りと、その心地よさは、言葉ではなかなか説明するのが難しい。テスト前日に部屋の掃除を始めてしまうあの気持ちに似ているのかもしれない。毎日が、ビリヤードとタバコと酒に消えていく。その感覚が、自分の将来への不安や受験のストレスを弛緩させて、薬でとんでしまっている時のような心地よさを私に与えた。

 

今でも、ビリヤード場に行くとあの頃のことを思い出す。今でも駿台札幌校の浪人生の皆様はビリヤードばかりやっているのだろうか。