Easy RiderとMiles Davis

今日は一日中頭がボーッとした。朝だけかと思ったけれど、午後になってもボーッとした。午後に帰ってこようかとも思ったけれど、まあ、それほど調子が悪かったわけでもないので帰るまでもないとは思ったけれど、本当に職場に居るのがキツかった。それで、今日は18:30頃仕事を切り上げて帰ってきた。

 

秋葉原に妻がいたので、秋葉原で電車を降り、妻と一緒に書店を見て、夕飯を食べた。

 

近頃、片岡義男の小説を読みたいと思って探しているのだけれども、やっぱり本屋にはなかった。仕方ない、アマゾンで探そう。

それで、今日のブログでは何について話そうか。最近疲れちゃって全然まともなことをブログに書いていなかったから、もうそろそろちゃんとしたことを書かないと読んでくれている方に申し訳ない。

 

それで、まあ今夜はちょっと趣向を変えてMiles Davisについて書こうかと思った。思ったんだけど、あんまりイマジネーションが湧いてこないので、とりあえずEasy RiderのDVDを見ながら、書くことにした。

 

Easy Riderは60年代のカラーなのに対し、私は50年代、モノクロ、モノラルの頃のMiles Davisがすきなので、Miles DavisとEasy Riderはこうもり傘とミシンぐらいかけ離れているかもしれない。やっぱりこの二つを一緒に語るのには無理が有るかもしれない。

 

とりあえず、Easy Riderを見るのをやめて、MilesのCDをステレオに突っ込んだ。

 

Miles Davisというミュージシャンの音楽を聴くにあたっては、いつ頃の時期の演奏を聴くかということは、とても重要なことで有るとも言えるし、彼の音楽のあり方は不変であるとも言えるかもしれない。

 

Miles Davisのバンドが奏でる音楽は、時代ごとにかなり異なっていて、トータルのサウンドでは時代によってがらりと変わるのだけれど、Miles本人の奏でる音と音使いはビバップの頃から最後まであんまり大きくは変わらない。時代を経るごとに音使いの自由度は大きくなるのだけれども、バンドの中でのマイルスの音のあり方や、歌声は変らない。

 

けれども、私は50年代のMilesが好きだ。特にPrestigeのマラソンセッションが好きだ。コロンビア時代のラウンドミッドナイトやポギーとベスも好きだけれど、やっぱりリラクシンでバラードを奏でているマイルスの音楽の美しさはなんと言えば良いのだろか、まさに筆舌に尽くしがたい。音の選び方、必要にして十分な音数、抑揚、タイミング、まさに適切である。

 

マラソンセッションのマイルスは、常に新しい音楽のリーダーであった彼の音楽キャリアの中では、言ってしまえば「停滞」していたことの音楽だ。しかし、その「停滞」が産んだ余裕なのだろうか、これほどまでにのびのびと音楽を奏でている(ように聞こえる)マイルスの演奏は、コロンビア時代のレコードからは聴くことができない。ハードバップってジャズのマンネリ化の根源なのかもしれないが、リスナーの一人として言わせてもらえば、マイルスのマラソンセッションはそのマンネリ化の美しさだ。

 

吉本新喜劇とか、水戸黄門の面白さに近いのかもしれないが、音楽って常にあたらしいものを聴きたいワケじゃない。こういう予定調和を楽しむのも音楽の良さだ。古典派のソナタ形式とか、ロックンロールとかってまさに予定調和そのもの。ジャズでも、ハードバップは結構そういう予定調和の良さみたいなところが有る。

 

予定調和をよしとしないで、つねに新しい音楽をリードし続けたと思われているマイルスも、やっぱり毎晩のライブでは同じレパートリーを何日も続けて演奏してたのだろうし、とくにレッド・ガーランド、ポール・チェンバース、フィリー・ジョーとやってた頃のマイルスバンドって結構水戸黄門みたいなところが有って、それが心地よい。いろんなマイルスを一通り聴いてこういう結論が出るんだから、マイルスの音楽の魅力の本質はその目新しさではないのではないだろうか。むしろ、いつも変らないMilesのサウンドを聴きたくて、そしていつも変らないマイルスの音楽が聴ける、それが彼の音楽の魅力ではないかとおもうし、結局それがジャズという音楽そのものの本質なのかもしれない。

 

それが嫌だったら、アルバート・アイラーあたりを聴かないといけないのかもしれない。とにかく、まあ、50年代のマイルスを聴いてみて、感想を下さい。

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コメント: 3
  • #1

    (火曜日, 12 4月 2011 00:25)

    久しぶりに50年代マイルス聴いてみました。

    ぼくも同じく停滞を感じ、またいい意味での予定調和の熟練の妙を感じました。
    完成度が高くて安心感がありますよね。
    でも、レッドガーランドのソロを聴いたとき、「ああ、学生時代やろうとしてたことはこういうことだったんだな。」と思ってなぜかこっぱずかしくなってしましました。
    決してレッドガーランドが悪いわけではないんですけど、やっぱりジャズの教科書的なところがあって。。

    マイスルでは最近マイファニーバレンタインをよく聴きます。
    ほどよい緊張感と「ああやっぱりマイスルだな」と思わせてくれる音があって。
    単にロンカーターのうますぎないベースが好っていうのもありますけど。。

    予定調和が嫌になったら、アルバートアイラー行く前にセロニアスモンクという道もまだ残っているような気がしますが、どうでしょう。
    最近、また好きになってよく聴いてます。

  • #2

    yoshisaburo (火曜日, 12 4月 2011 21:01)

    いつもありがとう。僕も頑張って少しでも楽しんで頂けるブログにすべく日々精進致します。

    モンクは予定調和とは違うかもね、キャピトル時代のマイルスのアルバムで、モンクとThe Man I Loveをやっているやつのソロなんて、もう全然脈絡がなくて素敵ですよね。

    モンクはピアノトリオが一番向いてると思うんだけど、どう思います?

  • #3

    (水曜日, 13 4月 2011 23:27)

    キャピトル時代のやつは初耳でした。今度機会があれば聴いてみます。

    僕もピアノトリオが一番いい気がします。
    でも、ブルーモンクはソロでやってるやつがリズムも自由に弾いているのですきです。