ロードムービーへの憧れと写真。ロバート・フランク、水谷幹治他

昨日はEasy Riderについて書きかけて、やめた。

私はEasy Riderのビデオを学生の頃見た時から、もう数えきれない程の回数を見ているのだが、あの映画は不思議と飽きることがない。

 

私が高校生だった頃、姉の部屋にEasy Riderのポスターが張ってあったけれど、Easy Riderの魅力はよくわからなかった。そもそも、しっかりあの映画を見たことすらなかった。何となく、バイクの映画で、最後に主人公がうたれて死ぬってことは知ってたけど、それ以上の映画だとは思っていなかった。

 

しかし、25歳ぐらいの時だろうか、Easy Riderのビデオを自分の部屋の小さなテレビで見た時から、この映画の魅力に取り憑かれてしまい今日まで至っている。できることなら、Easy Riderに類するバイクのロードムビーをジャームッシュとヴェンダースあたりに何本かとってもらいたい程だ。

あの映画の素晴らしいところを挙げていくときりがなくなってしまうので省略するけれど、映画を見るときに限らず写真を見るときにもあの映画を引き合いに出して比べてしまうことが有る。

 

ロバート・フランクの「アメリカ人」なんかもロードトリップの記録であり、そこにケルアックの存在もある。さすがに「アメリカ人」とEasy Riderを比較対象にするのは気が引けるけれど、ロードトリップの記録を作品として再構築することの面白さという意味では共通するものが有る。

 

ロードトリップの記録の再構築の魅力の一つは、落ち着かない視点だ。行く先々は自分のホームグラウンドではないので、視線の一貫性がなくなっていく。フランクなんてまだ視線に一貫性があるような纏めにしているが、ウィノグランドの1964年の旅の写真なんて、彼のニューヨークの写真よりも視線がバラバラで、面白い。

 

旅の写真のもう一つの魅力は、その非日常性である。旅そのものの魅力が非日常性なのかもしれないが、写真集や映画に再構築する際に、どこか非日常的な要素が入り込む。そこにどれぐらい日常性を混ぜるのかが作家性なのかもしれない。そういう意味では水谷幹治氏の写真は、非日常性があの世の出来事のように遠くて面白い。尾仲浩二さんもそういうのを上手く取入れているんだけれど、これってとても難しい。非日常性そのものにスポットライトをあてると単なる旅行写真になってしまう。それでも良いというなら良いのだろうけれど大の大人が他人の旅行記を読んでも面白くない。

 

そこで、旅の写真、映画でお勧めが有ったら教えてください。

今日は眠たいので、続きは明日。