続トランペット列伝。

今日は気力が出なくて、午前中仕事を休んでしまった。

けれども、半日休んで体力を温存し、午後から会社に出て働いた。疲れた。

 

昨日トランぺッターについて書いたけれど、中途半端になってしまったので、昨日の続き。

 

トランペットっていう楽器はとってもシンプルで、とても大きな音が出せる。息の入れ方によって、音も変化する。タンギングをしながら音符を刻むので、そのタンギングでいろんなニュアンスが出せる。だから、吹く人によって音量、音色、フレーズの歌い方が大きく異なる。それ故に、演奏にトランぺッターの個性が強く反映される。

最近のジャズシーンに新しいトランぺッターって出てきてるのだろうか?

ジャズの新譜を全然聴かなくなってしまい、昨今のトランぺッター事情には疎くなってしまった。だから、私が高校の頃のトランぺッターまでしか知らない。

 

私の高校時代までのトランぺッターの新星と言えば、ロイ・ハーグローブとニコラス・ペイトン。特に私はロイ・ハーグローブが大好きだった。ウィントンなんかよりもずっとやんちゃで、ちょっとリーモーガンを思わせるような節回し。要は「ハッタリ」をかますことが上手いトランぺッターだった。近頃はビッグバンドを組んだり、ヒップホップなんかやったりと色々な方面で才能を発揮しているけれど、ロイ・ハーグローブはやっぱりハードバップを吹いているのが一番好きだ。あんまりレコードには恵まれないトランぺッターだけれども、オスカーピーターソンのバンドで吹いているやつとか、素晴らしい。数年前に売っぱらってしまい今聴けないのが残念だ。一度で良いからロイ・ハーグローブは生で聴いてみたいトランぺッターだ。

 

それで、さっきちょっと話題にあがったリー・モーガン。ファッションセンスも凄くやんちゃで、ドスの利いた音色、型破りなフレーズと当たり外れの大きさ、どれをとっても理想のトランぺッターである。リー・モーガンはバラードが吹けないと思われている方も多いらしいけれども、誰がそんなこと言い始めたんだろう。彼が吹いている「イージー リビング」を聴いてみて欲しい。リー・モーガンが10代の頃には既に完璧なバラードを演奏できたことが証明されている。

ブルーノートのいろんなレコーディングに参加しているので、自身のリーダー作よりサイドマンとしての演奏の方が良い場合もあるので、リスナー泣かせのトランぺッターだ。

 

バップのプレーヤーでもうひとり忘れてはいけないのが、ケニー・ドーハム。この人の8分音符の刻み方が真似できるようになったらバップトランぺッターとして免許皆伝である。私には真似できない。リーダー作だけでも色々出ているけれど、私はあんまり持っていない。ブルーノートのプレーヤーがイマイチ好きになれなかった時期があって、そのせいで、手元にあまりない。

 

ジャズのレコードはジャケットがカッコいいやつが沢山あるけれど、その中でブルーノートのジャケットはなかなか定評がある。私もそんなに嫌いじゃないけれど、ブルーのとのジャケはかっこ良すぎる。ジャケ買いをして失敗することもままある。ジャズのレコードはジャケがまずければまずい程名盤、という説もある。これは特にSavoyのアルバムについて言えて、Savoyのジャケットは殆ど全部まずいから、殆ど全部名盤である。

 

ちょっとバップからはなれたら、いろんな良いトランぺッターと出会える。ルビー・ブラフなんて結構素晴らしいトランぺッターですよ。なんて言ったって「ルビー・ブラフ スペシャル」のA面が素晴らしい。B面は殆ど聴いたことがない。A面だけで満足である。この人のスタイルなんて言うんだろう?とにかく、ちょっと古臭くて、素晴らしい。

 

ハリー・ジェイムスを忘れてはいけない。白人のジャズトランぺッターがもてはやされた時代があるようだけれど、ハリー・ジェイムズはカウント・ベイシーのファンだったらしくて、自分のバンドをベイシーオーケストラみたいにしたかったんだろう。その努力の跡が垣間見られる。あんなにトランペットが上手くて、マイルス・デイヴィスですらハリージェイムスのファンだったって言うのに。人間は自分の手に入れたいものにはなかなか手が届かない宿命なんだろう。

 

ビッグバンドのソリストとして素晴らしいトランぺッターっていうのが結構いる。私はそういうトランぺッターこそトランぺッター冥利に尽きるのではないかと思う。ハリー・エディソンは何を吹かせても素晴らしい。個人的にはミュートプレイよりも、オープンで吹いている彼の音色が好きだ。「職人」と呼ばれるかもしれないけれど、彼みたいな控えめで上手いトランぺッターこそ、この世の中では貴重な存在なのだ。

 

ジョー・ニューマンも凄いテクニシャンで尊敬してしまう。自身のコンボでもアルバムを作っているけれど、やっぱりベイシーのバンドで吹いているのが一番素晴らしい。ベイシーと言えば、スヌーキー・ヤング。You TubeでDoc Severinsenのバンドでソロを吹いている映像があるけれど、素晴らしい。彼こそ、世界最高のトランぺッターだと思う。

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コメント: 2
  • #1

    トランペットは奥が深いですね。 (土曜日, 14 5月 2011 11:01)

    ハードバップで言えば、ブルー・ミッチェル、ビル・ハードマン、ドナルド・バードあたりも8分音符の刻み方といいフレーズといい素晴らしいですね。
    それから、アイドリース・シュリーマンの節回しももっと脚光を浴びて然るべきだと思います。
    日本人なら河東伸夫が素晴らしいです。
    リー・モーガンの「Easy Living」は最高ですね。あれはジャケットも良い。

  • #2

    yoshisaburo (土曜日, 14 5月 2011 21:28)

    コメントありがとうございます。
    トランペットの話題に食いついてもらえるととても嬉しいです。
    ビル・ハードマン良いトランぺッターですね。メッセンジャーズでの吹き込みしか聴いたことはありませんが、素晴らしいトランぺッターですね。アイドリース・シュリーマンは未だ聴いたことがありません。早速聴いてみたいと思います。
    また是非気軽にコメントください。