廃墟の写真ブームがあったことについては、

今日は新しい仕事の初日だった。とっても緊張した。

今まで勤めていた会社ともまた違った雰囲気、自分の席がブースになっていること、に少々戸惑いながらも順応すべく一日を過ごしました。

今日は,上司もいなかったので、一日中商品カタログを見て商品カタログをおぼえておりました。それでも全然おぼえられなくて、今日は3分の一位しか覚えられなかった。やっぱり歳とったな。

 

帰ってからもネットで商品カタログを見て覚えようと努力しましたが、半分位で力つきてしまいました。うん、やっぱり歳とったな。

 

今夜は頭を切り替えて、久しぶりに写真についてです。

廃墟ってちょっと前にブームになりまして、今でもその潮流は絶えてはいないのですが、まあブームそのものは去って行ってしまいました。けれども、先日書店の鉄道コーナーで、廃線になった鉄道の跡地を写した写真集を見つけました。平積みになっていました。

 

それだけじゃありません、書店のバイクコーナー(最近こういうコーナーがある書店自体少なくなりましたが)でも廃線になった道路の写真集というかムックが売られてました。写真業界じゃもう過ぎてしまった廃墟ブームがそれぞれの専門分野では根強く残っていることに何となく安堵しました。

 

じゃあ、写真界の廃墟ブームってなんだっていう話ですけれど、写真史的な見地からは私よりも詳しい方々も多く、ネットで調べればわかると思うので省略しますが、それらの写真集の紹介方々。

 

まず、廃墟と言えば最も有名な廃墟スポットは軍艦島でしょうか。長崎の炭坑だった島なのですが、廃坑になった1974年に無人島となりまして、それから時が止まってしまった何ともロマンチックな「生きている」タイムカプセルです。

 

軍艦島と言えば、雑賀雄二の軍艦島シリーズでしょうか。まず、廃墟の写真と言えばおさえておきたいところです。写真集「軍艦島―眠りのなかの覚醒」は再版されている人気写真集ですが、廃墟を美しく、精密な描写で捉えた大作です。軍艦島じたい謎めいていて魅力的な被写体なのですが、雑賀氏の写真はその細部まできめ細かく見せる美しい写真に仕上がっています。軍艦島とそれを取り巻く海、空、全てが共にそこにある壮大な絵巻になっております。

 

雑賀氏は廃墟ばかりとる写真家ではないので、軍艦島だけで彼の作品は語れないのですが、間違えなく氏の代表作でしょう。

 

廃墟の専門家と言えば、丸田祥三氏でしょう。廃墟と少女というコンビネーションの禁断の官能美(と言っては語弊があるかもな)を追求させればこの方をおいて他にはいないでしょう。廃墟の大家、廃墟をとり続けて数十年。私も氏の「棄景」シリーズの写真集がものすごく欲しいのですが、まあ、いつでも買えそうだし、高いので未だに手元にはありません。先日大阪の友人宅にお邪魔した際書棚にこの「棄景」がありましたが、さすがに「下さい」とは言えませんでした。できれば、「棄景2」(だったかな?)以降の少女と廃墟のコンビネーションのあたりからの写真がほしい。廃墟というなんだかしっとりとした、不気味な、そして物悲しいノスタルジアと少女という川端康成的官能の世界を無理矢理一緒のお盆に載せたら、ものすごく美しくプレシャスなものができ上がってしまっている氏の写真は、永遠に写真の教科書であり続けるでしょう。(言いすぎかな)

 

それで、まあ、廃墟の写真ブームは上記2名の他にも、宮本隆司氏の「建築の黙示録」なんかも手伝ってのことなのですが。宮本隆司氏は写真がものすごく上手いのですが、上手過ぎて鼻につくのでここでは省略させて頂きます(写真集持っていないのですみません、誰か下さい)。

 

あと、これも盗作疑惑とかあって私もあんまり詳しくないので紹介は省略させて頂きますが、小林伸一郎氏の写真集が廃墟ブームに火をつけたことは、やっぱり否定できないでしょうね。一番わかりやすいけれども、ちょっと私にはつまんない廃墟写真の数々です(ミステリアスなところが無いのよ)。

 

ほかにも、廃墟写真の系譜は脈々と続いて入るのですが、限られた紙面故省略致します。

 

アメリカでは、Joel Sternfeldが高架鉄道の廃線跡の美しい写真集を作っています。カラーで、美しく儚い廃墟のエッセンスを高密度で含有するさらりとした写真集です。