リー・モーガンのラッパの如く、

最近あんまりジャズは聴かないんだけれど、金曜日にナットキングコールの廉価版のCDを買ったので、聴いている。ナット・キングコールはまあ、天才なので、歌もピアノも上手い。だから安心してて聴ける。全てのレコードが、この世に美しい音楽を遺す為に作られていて、どれもそれに成功している。

 

ナット・キングコールだけじゃなく、ウィリー・ネルソンとかもそういうミュージシャンで、音楽の可能性を常に拡げ続けている音楽家である。世の中って捨てたもんじゃないと私に思わせる。

世の中にはこんなステキな音楽があるって言うことを、少しでも多くの方に知ってもらいたいけれど、それぞれ音楽には好き嫌いがあるから難しい。偶々ふらっと入ったバーのラウンジで、ナット・キングコールトリオがオールディーズヒッツを歌っていてくれれば、その音楽の素晴らしさを押し付けることなくお知らせすることができるんだけれど、なかなかそんなお誂え向けのシチュエーションはやってこない。

 

それに関わっている話題なのかどうなのかはわからないけれど、今日夏のバーゲンに行ってきた。私は妻に新しいスーツを買ってもらった。ずっと欲しかったマーチンソンの生地で仕立てたダブルの背広である。こういうのを着てカッコいいのは若いうちだけだから、少々私らには高くても、今のうちに買った方が良いだろう。妻は妻で、ユニクロとか、その他いろんなブティックに入って、二着くらい服を買ってた。

 

それで、デパートのBGMでリー・モーガンの『I remember Clifford』がかかっていた。そうか、リーモーガンの16分音符はカッコイイなと思った。こういう、何気ないところで聴いてもリーモーガンはカッコイイ。リー・モーガンはラッパの腕前もものすごいけれど、服のセンスもまたちょっと個性的だ。特に10代の頃のリーモーガンのファッションセンスは凄い。よく10代であんなにかっこ良く背広を着れるもんだと感心してしまう。きっと身の回りにディジー・ガレスピーとかお洒落な連中が沢山いたからああいう服のセンスになったのだと思う。

 

ハードバップのジャズミュージシャンはみんな背広をビシッと着こなしていてかっこ良い。50年代はマイルス・デイビスですら背広を着ていた。お気に入りはブルックスブラザーズだったらしいけれど、ネクタイとかはイタもんとかをつけていたみたいだ。車はフェラーリ。やっぱりCBSで吹き込んでるミュージシャンは稼ぐ額も凄い。

 

個人的にはチェットベーカーも好きなんだけれど、何で好きかっていうとソフトなトランペットでバリバリのバップフレーズを紡ぎだすことと、ルックスの格好良さだ。チェットベーカーは薬のせいで30代で既におじいちゃんみたいなルックスになってしまうけれど、もし薬をやっていなかったらもっともっとセクシーなままで居れたと思う。まあ、音楽的にはおじいちゃんみたいになってからのチェット・ベーカーの方が好きなんだけれど。

 

チェット・ベーカーはどこのブランドの服を着てたんだろう?チェットはヨーロッパ志向が強い人だし、車もイタ車に乗ってたらしいからおそらくイタもんのブランドなんだろうけれど、どんな服もチェットが着るとカッコいい。今のブランドだとエトロとか、ちょっと古いけれどジバンシーとかチェットにはよく似合いそうだ。

 

とにかくハードバッパーは、音楽はかっこ良くて当たり前、あとはステージでいかにかっこ良く見せるかが勝負所だと思う。マイルスだってライブ終わったあとに「どうだった?」って聴いて、「今日のソロは素晴らしかったです」って答えたら「音楽のことじゃないよ、今日の俺のスーツはどうだった?」って聞返したそうですから。

 

トランペットの方は、なかなかリーモーガンみたいにはなれないですが、せめて背広だけでもリーモーガンのように着こなしたいですな。

コメントをお書きください

コメント: 2
  • #1

    ED (火曜日, 05 5月 2015 15:26)

    「今夜ベッドに入るとき、ぼくのことを考えてくれ。よし、今度会ったら、どうやって夜を過ごしたか教えてもらうからね。おやすみ」

  • #2

    ぺニス増大 効果 (金曜日, 08 5月 2015 18:31)

    「大丈夫だって、そんな事でお前を嫌ったりしねえよ???だから、そんな悲しい顔すんな」