狭い玄関にTony Lamaのブーツ

昨日のブログでも書いたけれど、センチメンタルになってテンガロンハットとウエスタンブーツを買いました。テンガロンハットのつばが風に吹かれて、グッとこの感傷を演出するのです。

 

それで、ウエスタンブーツはなんていうか、舞台装置ですな。心の演出にこういう小物は必須なのですよ。この冷たく乾いた傷跡の記念碑として、テンガロンハットとウエスタンブーツを手に入れたのです。

 

ウエスタンブーツ、前々から気にはなっていたのですが、何て言ったって値段が高い。値段が高いから、比較的安価な靴を作業用、バイク用の靴として使っていたのですが、結構ぼろぼろになってしまい、もっと大切に履けば良かったと深く後悔していたところです。安価な靴とはいえ、赤と黒のコンビのウィングチップなので、安もんではないんですよ。でも、出張の時とか倉庫作業の時もこれ履いていたから結構ぼろぼろになってしまった。今週末磨いておこう。

 

Tony Lamaっていうブランドご存知ですか?

トニーラマってきいて「おっ」と思うのはウエスタンものが好きな方でしょう。ウエスタンものを扱っている店に行くと大体ステットソン、ジャスティン、トニーラマなんていう普段あんまり聞かないブランドの品物が置いてありますな。

 

トニー・ラマはそんなかでもそこそこ高いブランドなんですよ。だからあんまり縁がなかった。でも、なんていうかトニー・ラマのブーツってウェスタンの定番なんですよ。だから、いつかは一足と思ってたのですがこのほど安売りしていたので、一足買いました。

 

でも、このブーツって狭い玄関に他の靴と一緒にごたごた並べるような類いの靴じゃないんですよ。学校の上靴みたいに玄関にごった返しているような風景が似合う靴じゃないのです。

 

ベッドのサイドに脱ぎ捨てられている、そういう風景に馴染む靴なんです。大体映画に出てくるようなカウボーイは家ん中でも靴履いてますから。靴はいてないと、いつ何時外に出ないといけなくなるか、わかんないから。だから靴を脱ぐのは寝る時だけ。

 

だからウエスタンブーツは玄関には似合わない。

 

そんなトニーラマのブーツが、仕事に行く靴なんかと一緒に狭い玄関にたたずんでいる。こういう風景が、豊かではありながら満たされない日本の労働者階級の家庭を象徴しているのではないでしょうか。