俺ゃー、急いでレコード屋に行ってマイルスのアルバム買っちゃったよ。

ジャズって音楽は学生の頃好きだったからよく聴いたけど、そのあとは、時たま思いだしたかのようにのめり込んでCD買ったりはしたけど、結局少しずつ遠ざかっておりました。

ジャズお好きな方なら何となくわかってくれるかもしれませんが、二十歳そこそこの頃はフレディーハバードとか、トニーウィリアムスとかロンカーターのやってるモーダルなジャズ好きで良く聴いてました。今考えたらあれのどのへんが良かったのかよくわかりませんが、確かにレッドクレイのイントロのフレディーのラッパの音聴いたら今でも熱いものがこみ上げますが、それはあの音楽よりも、その音楽を好きだった頃の自分に対する感情からなんだと思います。

それで、社会人になってからはとにかくオルガンもののジャズばっかり聴いてました。リチャードグルーブホームズ、ジミーマクグリフ、シャーリースコットなんかです。それに、ソニースティットとかジーンアモンズが絡む真っ黒な、ジャズの薫製みたいな音楽ばかり聴いてましたが、学生の頃みたいに夢中にはなれませんでしたね。

ましてや、ライブ行ってまで聴こうというところには至らないまま今に至るのですが、何の気まぐれか最近ちらほらチェットベーカーのレコード引っぱり出して聴いてたところに、先輩からジャズのライブのお誘いがあって、それに行ってみたら思いのほか良くて、そこで出会ったミュージシャンが出るっつんで、一昨日六本木のバニラムードっていうお店に行って参りました。

夜から見にいったのですが、私が聴いただけでも色んな音楽やってました。フワフアしたギタートリオとか、渋さ知らずというよりはパレミッケルボルグみたいなアバンギャルドで踊れる音楽とか、かつて私が好きだったモーダルなハードバップとか。色々やってましたよ。

それで、その中のバンドの一つがレッドクレイとかハービーの昔のやつやってて、なんだかジーンときちゃいました。皆さん結構若そうで、きっと私より若い方ばかりなんでしょうけれど、皆さん精一杯ジャズやってて好感持てました。もちろんだいたいがプロの方々なのでしょうから演奏にそれらしい余裕もあるのですが、その演奏の熱さは良い意味でプロらしくなくて良かったです。

学生の頃よくジャズバーにライブ聴きにいきましたが、ジャズの人たちって皆ちょっとスカしてるとこがあって、あんまり熱いところをヒトに見せないようにしてた方が多かったんですが、一昨日のライブの出演者の方々は熱いところを全然隠さないで、こっちまで熱さが伝わってきて良かったです。

それと、皆さんソロの尺が長過ぎないのも好感が持てました。６０年代のジャズやると、一発ものとかモーダルなのとか多いんでついついダラダラソロとっちゃいがちなのかもしれませんが、一昨日の演奏はそういうのが無くて、適度に節度があって良かったです。私は尺の長いソロじっくり聴ける程気が長くないので、良かったです。

それと、ピアニストの方がとっても可愛くてそれも良かったです。ピアノあんなにガンガン弾けて、且つすごく可愛い、という女性がこの世の中に存在するということの有り難さを感じました。これが、学生の頃の私だったら、そういう事実を受け入れるには心が狭すぎて、ジャズなんて嫌いになっちゃったかもしれませんが。大人になると心に余裕ができて、彼女のピアノも彼女のかわいさもどちらも楽しめ、とても良いライブでした。酔っぱらって家に帰ってきて、うちの妻にその娘の話を一通りしたとのことでした。ぜんぜん覚えていませんが、情けない話です。

そんなこともあり、私の中のジャズ熱が再燃して、昨日お茶の水のディスクユニオンでマイルスのアルバム５枚も買っちゃいました。頑張ってコピーします。