Jazz界の村西とおる、クリードテイラー

CTIというレコードレーベルをご存知なのは、一部のジャズファンだけでしょうけれど、もしご存知でも、「CTI好き」と言える方は少ないのではないでしょうか。「一緒に入ってるストリングスが嫌だ」とか、「ジャズミュージシャンに無理矢理フュージョンやらせてるから嫌い」と思われている人が多いのではないでしょうか。

 

なんでよりによってCTIはこんな企画もの作っちゃったんだよ、とか、ウエスモンゴメリーをジャズから遠ざけた元凶とか、あのレーベルのレコードはなんだか嫌われる風潮にあります。

 

でも、僕は好きです。CTIは駄作も多いですが、それを我慢して付き合えばとても素晴らしいレコードに出会えます。とは言っても、私の手元にCTIのレコードは殆ど無いですが、5枚持っていてそのうち2枚は名盤です。

明日は下北沢で森田珠美さんが出演するライブがあり、行って聴いてこようかと思っておりますが、きっとそのライブではCTIのレコードに入っているような曲はやらないと思います。先週の土曜のライブでは「レッドクレイ」やってたので、彼女とCTI系のからみはしばらく無いでしょう。でも、たまちゃん好きだから聴きにいきます。以上、宣伝でした。

 

それで、村西とおるって言ってもご存じない方の方が多いと思います。男性でも村西とおる氏のことをご存知な方はそれほどいないと思います。村西氏は企画もののAVの世界では天才的なクリエーターです。そのスケベさとばかばかしさに天才の匂いを感じます。

 

クリードテーラーも、企画ものの天才です。駄作が多いという天才の絶対条件を備えた素晴らしいクリエーターです。そうです、天才は失敗と駄作を堆く積めるくらい球数を打たなければいけません。作品が少ない天才は、本当に天才なのか、それともただ運がいいだけなのか怪しいところです。だから、森田珠美さんにも是非腐る程ライブをやって欲しいです。私はあなたの失敗の山を聴いてみたいし、そういった中からこそ本当に素晴らしいものが出てくると思います。

 

失敗と言っても、天才の失敗は美しいもんです。マイルスなんてエレクトリックになってからワケの分からないレコードやライブ盤沢山作ってますが、あれだってテオマセロが良い部分をつなぎあわせた結果だからつまんないです。いつか、ワイト島のライブみたら凄かったです。神々しい程取り憑かれたかのようにマイルスがラッパを吹きまくる。だから中にはマイルスが意図しないミストーンとか大量に含まれている、産業廃棄物みたいな演奏でした。でも、素晴らしかったです。あんなに失敗を恐れずに失敗に突進していく表現者の姿は美しいものに他なりません。

 

だから、クリードテーラーもワケの分かんない企画ものを沢山作って、もう聞くに堪えないくらい退屈なアルバムも正直あります。でも、クリードテーラーはレコードを作るにあたって自分の美学を曲げない。もしかしたらクリードテーラーは「売れ筋」のものを作ろうとしか考えていなかったかもしれませんが、それから30年いや40年位の時を経て、これほど輝きを失いながらも音楽業界に残っている失敗作の数々は、美しいと思います。つまんないアルバムすら、その尊さ、美しさは、汚らしさは芸術の域です。

 

でも、今日買ったアービーグリーンのThe Foxって言うCTIのアルバムは最低でした。決して買わない方が良いです。CTI過ぎちゃってもう、こりゃ参ったね。

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コメント: 2
  • #1

    漢方薬効能 (火曜日, 12 5月 2015 07:43)

    「ん? 何だよ、んな嫌そうな顔すんなよ」

  • #2

    愛燦々と (日曜日, 27 9月 2020 17:50)

    いいえ、好きですCTI。デオダートから始まって数々のフュージョンアルバムを楽しませてもらいました。で、NHK-FMの「軽音楽をあなたに」(だったかな)で水野美紀からビル・エバンスやチャーリー・パーカーを教えてもらいJAZZもぞっこんになりました。