このところ数週間、僕はため息ばかりついている。
嬉しいこと、楽しいこともある。僕はそれを否定できない。けれども、僕はふとした拍子に、自分が何か間違いをおかしたのではないかと不安になり、後悔をし、自分の心に問いつめる。私は何を求めているのだろう。私の求めてるものは何だろう。
そして、やっぱりため息をつく。僕の心の行き場はあるのだろうか。
春になり、花が咲く。こんな些細なことでも、僕は不安になる。このまま二度ともとの自分には戻れないのではないか。結局すべてを失ってしまうのではないか。そして、時間のスピードの速さと、遅さにうんざりする。
この気持ちが季節のせいなら、ずっとずっと春のままでいてほしい。ため息が枯れて、心の中が空になってしまうまでこうしていたい。
谷崎潤一郎の短編を読んだ。「母を恋いうる記」。とても哀しく、美しい小説だった。
不忍池の対岸にある桜並木を見た。池の水面を悠々と泳ぐ鴨の群れ。
このまま季節が止まって欲しい。そして、次にこんな気持ちになるまで、早く時だけが過ぎ去って欲しい。
このところ数週間、僕はため息ばかりついている。
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ED (金曜日, 08 5月 2015 19:39)
「俺は、アンタしかいらない???」