些細な理由

今日、みなさんには当たり前のことかも知れない些細なことに気がつきました。
それは、私が楽器を弾いたり、歌を歌ったりする理由です。
私は二十歳の頃からずっと好きな女の子がいます。彼女は数年前に結婚し、今は遠くにいます。けれども、そういう地学的な距離に関わらず、もう十年以上も彼女の中に私は存在しないし、もう何年も年賀状すら来ません。連絡も、ほぼとれません。何より、私には家庭も有りますので、この先の人生彼女と愛し合うことは無いと思います。
前置きが長くなりました。
私が楽器を弾いたり、歌を歌ったりするのは、もしかしたら、いつか、彼女が僕の演奏を聴いてくれるかもしれないからです。
私はチェットベーカーのトランペットが好きです。チェットの音色は、何処か暗い広い部屋で声をたよりにお互いを確認し合う恋人の囁きのようで好きです。
だから、僕も頑張って練習して、暗い広い部屋でも僕に気付いてくれる声を手に入れたいと思います。いつか、彼女に気付いてもらえるように。